2014年03月14日

フラッシュ・ポイント  天命探偵 真田省吾4

フラッシュ・ポイント: 天命探偵 真田省吾4 (新潮文庫) [文庫] / 神永 学 (著); 新潮社 (刊)
「フラッシュ・ポイント  天命探偵  真田 省吾 4」
予知夢を見る美少女・志乃が感知した人の死。未来を変えるため真田は奔走するが、
運命の改変が悲劇を招く―。何のための正義か。運命に抗う意味はあるのか。響き渡る真田の慟哭。
だが、探偵チームを嘲笑うかのように、首都東京を標的にしたテロが実行に移される…。
シリーズ最大のスケールで贈るノンストップ・クライム・ミステリー。
「天命探偵」シーズン1、クライマックス
(「BOOK」データベースより)
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話しが、すごく大きくて、「そこまでいくか・・」っていうくらい、謀略と嘘がまかり通ってます。

探偵物語というより、スパイ大作戦?東京危機一髪?^^)

おころで、現実に中国の越境船がアタックをかけてきて、日本が銃撃で応戦した事件もあった。
その事件の様子を ネットの動画にアップした海上保安部の人がいたけど、あれがなければ、
事件はうやむやのままだった。そんな事件を思い出しながら読みました。

志乃と真田君の関係はいいな。どちらかが一方的に頼るのではなく、お互い補完しあう。
鳥居さんも、いいポジションです。空回り気味の公香でしたが、思わぬ援軍ありでした。
次が、楽しみです(文庫でおっていってますが)

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知り合いにJ隊関係者がいたので、クダンの中国船銃撃事件の事を聞いてみました。
やはり、J隊が出たら出たで、大変な状態なのだそうです。つまり”戦争の前段階”みたいな。
だから、「後ろにはこれだけの海上J隊がいる」と脅しをかけるくらいが、充分なんだとか。
posted by kiyorin at 23:16| Comment(0) | 神永 学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月04日

昨夜のカレー明日のパン

昨夜のカレー、明日のパン [単行本] / 木皿 泉 (著); 河出書房新社 (刊)
「昨夜のカレー明日のパン」    木皿 泉 著   河出書房
悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。七年前、二十五才という若さであっけなく
亡くなってしまった一樹。結婚からたった二年で遺されてしまった嫁テツコと、
一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフは、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。
なにげない日々の中にちりばめられた、
「コトバ」の力がじんわり心にしみてくる人気脚本家がはじめて綴った連作長編小説
(「BOOK」データベースより)
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8つの短編からなる小説です。
一樹の死から七年たったものもあり、その母親の話しもあり、最後には 一樹自身の話しも
出てきます。

「おもしろくて読む手が止まらない」とか「感動した!」とか 「癒された」とかには、
私は、なりませんでした。ただ、話の中での人の言葉が、ジンワリと心にしみます。

一樹の死後 7年たってしまえば、涙がとまらないような哀しみは 薄れるのでしょう。
でも、それでいいのか?と思いながら 一樹のいない生活に 葛藤を抱える。
連作短編の最後は、一樹自身も母親の喪失から立ち直るのに苦労してます。
(そして自分の生きている という実感で物語が終わり)

「パワースポット」のタカラちゃんの話しが 一番好きかな。
夕子(一樹の母親)が、”自分が泣いたように、自分の死も誰かが泣いてくれる”
そんな言葉で、自分の死に納得をつけます。そこも好きです。

ちょっと 設定が突飛な部分もあるけど(岩井さんの話しとか、夕子の特殊能力とか)
まあ、そこは、目をつぶりますか。。

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posted by kiyorin at 11:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月01日

2月読書のまとめ

2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3959ページ
ナイス数:198ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/31357/matome?invite_id=31357

■心星ひとつ みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 時代小説文庫)
小松原様に 求婚されて、本当ならとてもハッピーなはずの澪。なんかいろいろ考えちゃってます。
なんのかんのいっても、澪はまだ若い。”どれも捨てきれない”ってのは、あります。
迷いがあるってのは、澪にとって小松原さんが、群を抜く1番 じゃないからかも。
実は、次の巻ももう読了してる・・・・・泣・・
読了日:2月3日 著者:高田郁
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35367604

■残月 みおつくし料理帖 (ハルキ文庫)
おもしろくて、ついつい最新刊まで読んでしまった・・
「夏天の虹」では、又次さんがああなってしまって、哀しかった(泣)この「残月」では、
つる家を離れていくことが、決定的なような。。。種市さんは主人で、澪は奉公人なんだものね。
主人の決定には逆らえない。でも、
「普通の人々の喜ぶ顔をみたい(高級料理店にはいかず、自分の器をひろげる)」って、
決意してても、主人の意向には逆らえないような。
読了日:2月3日 著者:高田郁
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35383124

■銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)
おもしろくて、又、一気読み・・(ゆっくり楽しみたいのに、とまらない^^;)基本、
いい人ばかりだけど、中には商売の妨害をする人も・・そんな時は、半兵衛さんが、
(和助さんの金銭の援助をえて)奔走、かえって商売はよい方向に。登場人物は、渋めの人ばかり。
。ううmそこがよかったのかも
読了日:2月6日 著者:高田郁
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35444786

■秘密 (講談社文庫)
1では、啓太と充のなれそめ、2、3ではその後の展開を、榎木視点、樹視点で。。で、
1.5はないのかな^^;;通信制の高校を卒業するのに、二人ともかなり苦労したと思う。
ハッピーエンドでよかったwww
読了日:2月8日 著者:木原音瀬
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35492586

■正三角形は存在しない 霊能数学者・鳴神佐久に関するノート (幻冬舎文庫)
やけに強引に話しを進めるな?と・・これがこの作者の作風なのかと思っていたら、なるほど、
最後にこうきましたか。タイジの話しは、まさに、”生きている人間のほうが怖い”の典型ですね。
読了日:2月11日 著者:二宮敦人
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35579073

■ふるさと銀河線 軌道春秋 (双葉文庫)
「車窓家族」が、よかったかな。なんか世の中捨てたモンじゃないみたいに、感じる。
「あなたへの伝言」に出てくる依存症ですが、専門の治療を受けても、また、お酒を飲んでしまう人
も多いそうです。「晩夏光」哀しいような、せつない作品。ラストが象徴的。
読了日:2月13日 著者:高田郁
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35635875

■消滅の光輪 上 (創元SF文庫 ま 1-2)
やっと上巻読了^^;集中して読んでも、時間がかかりました。SFというよりは、政治物?に
近いような。巡察官と軍の動きが気になります。マゼ司政官には、無事に任務を終わらせて
あげたい。だって、努力してるし苦労もしてるし。
読了日:2月18日 著者:眉村卓
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35767290

■消滅の光輪 下 (創元SF文庫 ま 1-3)
下巻は一気に離しが展開し、おもしろかった。一気によみました。
なんか怪しい巡察官だなとおもったら、予想通りでした。確かに、新しい植民地では、
ゴタゴタも多いだろうから、問題になりそうな住民一掃・・が。実際に住民を殺すとは、
びっくりだった。もう、司政官シリーズは、終わりなのかな・・短編でもいいから、新刊が読みたい
読了日:2月20日 著者:眉村卓
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35826640

■魔女と金魚 (幻冬舎文庫)
題名と表紙のイラストに魅かれて買いました。魔女の宅急便のおとな版と思ったけど、内容がえぐい。
ファンタジーというには、現実問題とリンクした事柄が多すぎで、中途半端だったかな
読了日:2月22日 著者:中島桃果子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35892621

■蔵のある家 (フラワーコミックススペシャル)
10編の短編集で、とてもよかったです。コマの出てくる「幽かな怪をたどって」が 
最後にこういう話でしめくくるのかと、なるほどと思いました。 猫の出てくる話も多いので、
猫好きさんにおすすめです
読了日:2月23日 著者:波津彬子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35906386

■美雪晴れ―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
あっというまに読了!今回は、蒲鉾作りで苦労したり、吉原で最初、イヤな目にあったりしますが、
そうじて平和で幸せな話しが多かったかな。政吉さん、いい男っぽいです。又さんには負けるかな
。店主の種市とも意気投合して、物語の先がすこしずつ見えてきたような。。
読了日:2月25日 著者:高田郁
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35953392

■カササギたちの四季 (光文社文庫)
名(迷)探偵・カササギ店長と日暮副店長のコメディーチックな推理物。
一つめの、「鵲の橋」は、ちょっと懲りすぎかなと思ったけど、「蜩の川)は、よかった。
いくら憧れていても、才能があっても、その現場の雰囲気が生理的に受け付けないんじゃ、
どうしようもないものね。男二人(と女子中学生)だと、「まほろ〜」の二人組みを思い浮かべるけど、
こっちの二人組みは、両方とも商売ヘタすぎ。。いくらリペアしても、買う人がいなければ、
商売成り立たないのだww
読了日:2月27日 著者:道尾秀介
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/36026901


▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

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2月も 高田 郁 さんの本にはまってたな〜〜。
オススメは、「銀二貫」。人情物ですが、主人公の頑張りに勇気付けられます。
あと、「消滅の光輪」 これは、眉村ファン必読だった。。
posted by kiyorin at 23:39| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月28日

まぐだら屋のマリア

まぐだら屋のマリア (幻冬舎文庫) [文庫] / 原田 マハ (著); 幻冬舎 (刊)
「まぐだら屋のマリア」  原田 マハ 著   幻冬舎文庫
東京・神楽坂の老舗料亭「吟遊」で修業をしていた紫紋は、料亭で起こった偽装事件を機に
すべてを失った。料理人としての夢、大切な仲間。そして、後輩・悠太の自殺。逃げ出した紫紋は、
人生の終わりの地を求めて彷徨い、尽果というバス停に降り立った…。
過去に傷がある優しい人々、心が喜ぶ料理に癒され、紫紋はどん底から生き直す勇気を得る。
  (「BOOK」データベースより)
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マグダラのマリア、シモン、マルコ、ヨハネ と イエスの弟子の名前で固められてます。
この4人の共通項は、地元”尽果”にながれてきた者ってところか。
ちなみに、女将さんの”桐江”は、キリエ で、カトリックのミサの中で歌う曲のラテン語
(唄は、”主よあわれみたまえ、キリストあわれみたまえ”という言葉を繰り返します。)
その女将さんは、文字通り、主人公だけでなく、いろんな人の面倒を見てきたようです。

最初に女将さんの出てきたシーンでは、なんて偏屈なんだ とびっくりしますが、
事情がわかるにつれ、殺されないだけましか。。と思えます。最後は待ってるし・・

それぞれの人に事情はありますが、大きな傷は一つ、自分の友達、娘、母親に
死なれた哀しみから 立ち直っていないです。
尽果は、人生の休憩地のようなもんかな。

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「吟遊」のモデルは、あのささやき女将の 吉○ か。確かに、現場の判断でと繰り返してた。
最近の高級ホテルでの食品偽装でも、「現場での認識云々・・」とさかんに言い訳してました。
偽装されたものは、全てが、安い材料を、高いものに名前を変え、それを売りにして 
値段を設定する ミエミエの手口。誰も現場だけが悪い とは思わなかったでしょうね。
posted by kiyorin at 23:49| Comment(0) | 原田マハ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月25日

美雪晴れ みをつくし料理帖

美雪晴れ―みをつくし料理帖 (時代小説文庫) [文庫] / 高田 郁 (著); 角川春樹事務所 (刊)
「美雪晴れ みをつくし料理帖」  高田 郁 著  ハルキ文庫
名料理屋「一柳」の主・柳吾から求婚された芳。悲しい出来事が続いた「つる家」にとってそれは、
漸く訪れた幸せの兆しだった。しかし芳は、なかなか承諾の返事を出来ずにいた。
どうやら一人息子の佐兵衛の許しを得てからと、気持ちを固めているらしい―。
一方で澪も、幼馴染みのあさひ太夫こと野江の身請けについて、また料理人としての自らの行く末に
ついて、懊悩する日々を送っていた…。
いよいよ佳境を迎える「みをつくし料理帖」シリーズ。幸せの種を蒔く、第九弾
(「BOOK」データベースより)
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いよいよ、次の巻がシリーズの最終巻だそうです(8月ごろ発刊)
そのせいか、いろいろと物事が、まとまっていきます。

芳は、結婚も決まり、息子とも連絡がついた。
澪が辞めた後、どうなるかと思った”つる屋”も、政吉夫婦があらたに店にはいること問題なし。
源斎先生、今回は頑張って澪ちゃんに アピール。二人の距離も縮まったかも。
澪の料理人としての自身のあり方が、本人はしらないうちに その道を歩んでいるよう。

蒲鉾作りに苦労する澪ですが、作者さんも苦労したのかな
なかなか大変な作業のようですが^^;

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琥珀寒が出てきました。これって、「銀二貫」ででてきたやつだったっけ?
posted by kiyorin at 00:03| Comment(0) | 高田 郁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月22日

魔女と金魚

魔女と金魚 (幻冬舎文庫) [文庫] / 中島 桃果子 (著); 幻冬舎 (刊)
「魔女と金魚」   中島 桃果子   幻冬舎文庫
無色透明のビー玉の囁きを聞き、占いをして暮らしている魔女・繭子。浮気調査、失せもの探し、
未来予想―たいていのことは解決できるが、なぜか自分の恋だけはうまくいかない。
恋人の要には、彼女がいるのだ。しかも酔っぱらった要に、お金を盗られてしまい…。
仕事は発展途上、恋人は彼氏未満。焦りを勇気に変えて生きる繭子の成長小説。
(「BOOK」データベースより)
********************************************************************
題名と素敵なイラストで買いましたが、私には、今一でした。

一応、「魔女の宅急便」の 大人バージョンを意識してるのでしょうけど、あまりに
ドロドロしすぎてないかな。
特に恋愛の部分は、”魔女”という設定抜きに、話しを読んでいくと、自分中心の面倒な
重い女と、いつまでも保守的な男の恋愛のグダグダ話なのだ。
これだけグダグダするのだったら、いっそ、ファンタジーの要素抜きにして、恋愛一筋で
話しを統一したほうが、かえってよみやすいかも。
(逆にファンタジーそのものの話しでもいいし)

現実と呼応する部分があり、そこは、ちょっとブラック。
例えば、”砂糖売り”は、現実でも、あぶない薬を販売してる人の別名。
汚水を魔法で清水にみせるのは、プレゼンテーションで某首相が演説した
「汚染水は全てコントロール出来てます」という言葉の魔法のようだ。
黒い汚水が、ダム決壊で町に押し寄せる場面は、まんま3年前の津波を思い起こさせます。

ファンタジーに浸れないくらい、現実を思い起こさせるのです。

故意にやったのなら、斬新かもしれないけど、この手の話しの購買層には、不向きかも

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posted by kiyorin at 23:10| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月20日

消滅の光輪

消滅の光輪 上 (創元SF文庫 ま 1-2) [文庫] / 眉村 卓 (著); 東京創元社 (刊)消滅の光輪 下 (創元SF文庫 ま 1-3) [文庫] / 眉村 卓 (著); 東京創元社 (刊)
「消滅の光輪」  眉村 卓  著  創元社会文庫

殖民星ラクザーンでは、人間と降りフタツの温和な先住民と地球人入植者とが、平和に
共存していた。だら、その太陽が遠からず新星化する。惑星全ての住民を、別の星に
退避させよ・・。空前ともいえるこの任務に、新任司政官マセ・PPKA4・ユキオは
ロボット官僚を率いてとりかかるが・・・(上巻あらすじ)
司政官マセは太陽の新星化を公表し、緊急指揮権を確立する。だが、退避計画の随行は
困難をきわめた。移住先を決定する住民投票、脱出のための宇宙船運行の手配、・・・。
しかし、計画が進むにつれて住民達の反撥も高まってゆき、ついには大規模な暴動
となってマセを襲う・・。さらに先住民達は誰ひとりとして、退避勧告に従おうとしない。
空前の計画はいかにして完遂されるのか・・。(下巻あらすじ)
眉村SFの最高峰。泉鏡花文学賞、星雲賞受賞作
*******************************************************************************
以下、ネタばれになりますので、未読の方はご注意を・・



上巻では、話しの展開はスローペースだったけど、半分くらいのところで、
”旅ばかりしていて何をしてるのかわからない巡察官”や、
”忙しいだろうに、駐屯して演習を繰り返す連邦軍”
のふたつが不気味で、「あれ?もしかすると・・」と予想はしてたかも

だいたい、新星化するような惑星に、待命司政官が行くこと自体が、計画の始まり。
うまくあらすじどおりマセが動けば、暴動がおきたときには、それを口実に軍を動員
して強権的に支配し、退避させる。マセはそのための 捨石のようなものか・・

連邦軍が、暴動を影でリードするとは、さすがに思わなかった。
(下巻の暴動の所を読んでいくと、暴動の有様が 全体がねった作戦で素人市民の出来る
物ではないと、感じますが)

先住民のかたくなに退避しない理由がわかります。
いわれてみると、ああなるほどと納得です。
マセは、この先住民との交流の中で、新たな自分の司政管としてのあり方に目覚め、
ラストは、スッキリおわります。

おもしろかった・・特に下巻は一気に読みました。
その世界にどっぷりはまれます。ロボット管理が多く出てくるので、この長編を
読む前に、短編シリーズの「司政管」を読んでおくと、もっとおもしろいです。

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posted by kiyorin at 13:54| Comment(0) | 眉村 卓 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月13日

ふるさと銀河線 軌道春秋

ふるさと銀河線 軌道春秋 (双葉文庫) [文庫] / 高田 郁 (著); 双葉社 (刊)
「ふるさと銀河線  軌道春秋」   高田 郁 著  双葉文庫
両親を喪って兄とふたり、道東の小さな町で暮らす少女。演劇の才能を認められ、
周囲の期待を集めるが、彼女の心はふるさとへの愛と、夢への思いの間で揺れ動いていた(表題作)。
苦難のなかで真の生き方を追い求める人びとの姿を、美しい列車の風景を織りこみながら
描いた珠玉の短編集
(「BOOK」データベースより)
***************************************************************
正直、表題作は、今一だったかな・・
同じ陸別が舞台でも、「返信」のほうが、心にしみました。
珠玉の短編とありますが、殆どの作品、主人公は困難の中にいます。
9編の短編で、ところどころ、つながりのある話もあります。

「お弁当ふたつ」・・主人公の旦那さんが、実はリストラされてて、家族にもいえずに
電車にのって時間をつぶしてた。うっかりすると、旦那さん、自殺も考えるかも。。
家もほしいけど、こういうときにローンが重荷になるですね。

「車窓家族」・・この短い話が一番好きです。電車からみる老夫婦の部屋。
そこをめぐって、奇妙な連帯感が乗客におきる。
読んで、「人間 一人じゃないもんだ」ってうれしくなりました

「ムシヤシナイ」・・大阪の爺ヤンらしい話し。
「ふるさと銀河線」・・池田町と北見市を結ぶ鉄道の名称。廃止しないという公約だったのに、
市長は公約を破りました。赤字でどうしようもなかったらしい。
主人公の演劇にかける情熱や葛藤が、あまりなかったような。。
「返信」・・陸別町は、寒いところです。帯広にも北見にも遠い内陸で、だからこそ
星が綺麗に見えます。年に何度か、天体観察の会を開いているようです。
「雨を聴く午後」・・主人公が 昔の家に黙って入る。気持ち悪いです。まだ泥棒のほうが理解できる
「あなたへの伝言」・・↑にでてきた部屋の住人が主人公。セキセイインコの言葉一つで、人間
元気付けられるものなんだなと。
「晩夏光」・・これは、「人生ってわからないものよね」ってなる話。
こういう結果になった主人公、でも、アルツハイマーはこれ以上進行します(泣)
「幸福が遠すぎたら」・・ふりかえると、学生時代が一番幸せだったという 3人の話。

漫画の原作者だった高田さん。この話しも漫画の原作とかを集め、加筆して小説にした
ものです。だから、「みおつくし」シリーズよりは、前の時期に書かれたものかな

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足寄は、あしよろ ではなく あしょろ ですww
posted by kiyorin at 00:47| Comment(0) | 高田 郁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月08日

秘密

秘密 (講談社文庫) [文庫] / 木原 音瀬 (著); 講談社 (刊)
「秘密」  木原 音瀬 著  講談社文庫
その夜も啓太は街を徘徊していた。死体が入った冷凍庫のあるアパートに戻り悪夢を
見たくないのだ。ゲイバーで出会った男、充は部屋を拝借するにはちょうどいい相手だった。
愚鈍だが心優しい充に啓太は徐々に惹かれていく。そして啓太は過去を断ち切るため、充を伴い
死体を隠した冷凍庫を海に捨てに行くが…。
『箱の中』『美しいこと』を超える衝撃で迫る、恋愛小説の極北
(「BOOK」データベースより)
*******************************************************************************
江戸人情物から、ガラっとかわった設定の物語を読んでみました^^)

この「秘密」は、メインが「秘密1」で 後の二編は、その後の話しで番外編かな。
ここからは、ネタがばれてしまうので、未読の人はご注意を!

秘密1 を読んでいて、途中から「あれ??」っと感じました。
啓太(主人公)の犯罪の肝心な部分になると、回想がとぎれるというか、夢が終わるというか。。
で、やはり思ったとおりでした。でも彼には別の地獄が待っていました。

自分にとって、どれが現実でどこからが妄想なのか?わからなくなったのです。
これは 恐怖です。おそらく、もともとそういう性向があったところに、DVで、かなり抑圧
されてたせいもあるでしょう。
その時に、充君の答えがいい。これは、ホロリときます

秘密Uでは、叔父の榎木さんが、苦労して充をなんとか一人で生活できるようにするよう
苦労してます。

秘密Vでは、杉浦樹(充の弟)の、話し。徹底的なイジメにあうと、その鬱憤は
原因となった充への無関心 という形になります。
樹君、友達 少なそう・・・何考えてるのかわかんないし、他人でも家族でも表面的な付き合いしか
したくない人。。最後の最後で、ちっとは余裕がもてたかな。
杉浦父は、もう、どうしようもない。強権的な父親というか、でも頑固親父とは違います。
子供を自分の思い通りにさせようとする、出来ないとなると、キレる。
介護が必要になった時、まわりが手をやきそう。

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posted by kiyorin at 01:00| Comment(0) | 木原 音瀬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月06日

銀二貫

銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫) [文庫] / 高田 郁 (著); 幻冬舎 (刊)
「銀二貫」 高田 郁 著      幻冬舎
大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。
大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と
生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、
またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。
(amazonの内容紹介より)
**************************************************************************
おもしろくて 一気読み。。なぜか読むのがとまらない。

ちょっと調べると、江戸だけでなく大阪も火事に悩まされてたこと。
貨幣は、銀が通用してたこと。
銀二貫は、200万くらい? ただ、店が苦労して商いを続けて20年でやっと二貫ですから
もっと値が高いでしょうね。

主人公の和助は、大金を投じて、子供を助けるけど、番頭には怒られる。
お金がたまったら、天満宮に寄進すると約束するが、運命のいたずらか、
お金がある程度たまった時に、その都度、お金を使わないといけない事態になる。
おしげもなく使う所に、和助の商人としてのすごさがあるのかな。
(松吉の父親を仇として切った侍も、藩の取り潰しから、百姓になり、新田開発に
和助と取引した銀二貫を 皆のために使う)

松吉の試みは、主人をして「ええかげんにしなはれ」と怒られる始末だけど、
苦労して苦労してやっと、”羊羹”を作り出し、そのつくり方を秘匿せず、
本業の寒天のほうで 大もうけして大店となる。

春から、NHK木曜時代劇で、ドラマ化されるそうですが、原作での
主人公の苦労している所をどこまで表現できるか。。。

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posted by kiyorin at 01:53| Comment(0) | 高田 郁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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