「幸せな嘘」 きむら ゆういち 子 小学館文庫「二人だけの秘密の出来事が人気のドラマになっている」西の果ての港町。ハナミズキが
美しい町で育った池永琴美は、バー「ドッグウッド」に突然現れた新しいバーテンダー、ヒサノリと
恋に落ちる。一緒に出かけたテーマパーク、願い事をかけた流れる雲、そして自分たちを取り巻く
人間関係まで、そっくりそのままテレビで放送されている。「なぜなの?」琴美の抱いた疑問は、
付き合い始めた恋人ヒサノリに向けられていた。
ベストセラー『あらしのよるに』の著者がはじめて手がけたスリリングで
ハートウォーミングなラブ・ストーリー
(「BOOK」データベースより)
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なんていうか・・・一時代前のラブストーリーのような・・^^::
劣化した「君の名は」か、三流韓国メロドラマのような。^^;;
ハッピーデンドで、主人公もその恋人も ”いい人”ではあるので、まあそこそこ
おもしろかったです。
*ここからは、ネタバレで。
まず、シナリオライターは、一種の作家であり、視聴率をとらなければいけない という大命題に
とりつかれてる限り、主人公・尚紀の産みの苦しみは、他のライターさんもまさに同じでしょう。
それを、”逃げる”にことかいて、遠くまで行ってしまうとは、びっくり。
作家と違い、オンエアが予定されてるシナリオであれば、迷惑する人も多いはず。
なぜ、彼は、関係者に謝罪しなかったのか?もしくは、せめてシナリオだけでもかけなかったか?
どちらもせず、失踪しそこで何食わぬ顔で生活するのは、ありなのか?
彼は、自分が”一流ライター”であることを捨てられなかった
(後で、実は上司にあたる釜田が、「やっと使い物になるレベル」とわかるのだけど)
彼の現実逃避は、琴美に過去を告白する場面でも、何度も繰り返されます。
ロマンチックに告白の場所を「5日後のレストランで」なんて、琴美と約束します。
現実逃避+いいかっこしい だな。男の人にありがちかも。
最後は、TV局関係者が尚紀を連れに来た時。この時に琴美を連れてきて
紹介し、ついでに過去も話してしまう。って手があったのに。
琴美は、ちょっとありえないくらい 現実を知らない。
「これって私と彼の事?」と疑念をもつテーマパークでの二人の出来事は、テーマパークにきた
カップルが ほぼ同じコースをたどると思う。そこで つまづくか?ってかんじ。
テーマパークでは、もっと突飛な出来事をいれたほうが、おもしろかったのに。
これは、作者自身が、そういう経験をしたことがないのでしょうと、想像できる。
ただ、物語にあったように、実際にドラマ化して、他にいろいろ肉付けすれば、そこそこ
おもしろいドラマになったでしょう。
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posted by kiyorin at 13:32|
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