成績優秀、スポーツマンで背も高くカッコイイ兄に、チビでニキビで成績の悪い弟優太は、常に劣等感をもってます。
そんな優太が、前半の物語の中心です
あるとき、ユータという名前のぬいぐるみ(テディベア)の中から手紙を発見します。
どうも、死んだ父からのものではなさそう。
その手紙を謎を追ううちに、優太と後には兄の桐人を、出生の秘密という とんでもない嵐に巻き込まれます
この話しはミステリー、ここからは、ネタバレになりますので、
未読の人は
ご注意くださいませ^^;;
まず、読んでいくうちに、「あ。氷点の現代バージョン?」
と思いました。氷点より ある面、シビアだったかも
私が旦那なら、やはり沙羅(優太と桐人の母親)さんの ”子供を引き取る決断”には、絶対反対します
子供を引き取った根底には、沙羅さんの罪悪感もあったのかもしれない
「人は遺伝ではなく環境に左右される」という牧師だった父親の信念を
信じたいのは、わかりますが・・
では、どうすればよかったのか。
母親も死んで天涯孤独の未熟児に、父親の過去から離すために、自分の籍に入れるのは、本当に仕方なかったのかな?
過去が過去だけに、遠くかけ離れた場所に養子に出すという選択肢も、考えてもいいのでは?
絶対に過去は言わない といっても、どこで漏れるかわからない。
今、側にその諸悪の元になったテディベアの表紙絵がをみてますが、
話を読み終わって見ると、怖い・・悪魔の手先のような、
結局、過去の秘密は暴露され、二人とも、ひどく傷つきました。
実の母親だと思ったけど、自分は養子だった。しかも、その母の家族を皆殺しにした犯人の息子が、自分(桐人)だった
そりゃ、悩みますってか、重すぎる十字架です
自殺しようとする兄を必死に助けた優太。
説得する場面は、長丁場ですが
緊張感あふれてます。
やっと立ち直った二人。かわいそうな二人にもやっと光がさし、
母親・沙羅とも話し合い、理解しあいます。めでたしめでたし
ですが、後日談がある。これが問題なんです。
”立ち直ってよかった、これで家庭円満”の大円団のようです・・が
兄の桐人は、有名医科大学に進学し、医師になり、あるとき突然、
離島の医師として赴任していきます。使命感にもえてたんですね。
そして結婚もせずに末期肺がんで、36歳で夭折。
結婚をしなかった理由は
”桐人は、マザコンだし、結婚するヒマもないくらい忙しかった。”
のようですが・。
”神の声が聞こえたから、3人を天に召した(殺した)”という
実の父親の精神の異常さが遺伝するのでは、と、
桐人はそんな不安もチョッピリあったのかも
だいたい、優秀な医師のはずなのに、
末期で体中にガンが転移するまでわからない
ってところが、わからない。
わかっていたけど、放っておいたのでは?
最後の肖像画が、安らいだ顔なのは、
「やっと贖罪をえて、死ぬことが出来る」
そんな安堵感なのではないか???
怖いです・・これってホラーで悲劇だったのね・・
後日談はいらなかった・・立ち直って家族仲良く
で終わらせてほしかったかも