2007年04月04日

精霊の守り人

精霊の守り人  上橋菜穂子  新潮社文庫

NHKアニメで4月から放送されるという「精霊の守り人」日曜の朝8時なので、^^;(見逃しても残念なので)とりあえず、原作を読んでみました。
はまりました。おもしろかった。児童用のファンタジーということで、拳闘シーンはでてきますが、死人はでません。
守り人は、シリーズ化されて、あと何冊があるそうですが(一話完結)文庫本で出版されるまで、私は待てるかな^^;?

呪術師・トロガイが最後に
「・・70年も生きて、この世はわからぬ事だらけだ・・」
と仰向けにひっくりかえるシーンが、ユーモラスでした。トロガイは、なんでも知ってるトランプのジョーカーのような存在だったんですけどねw

ある事実が、政治のために歪められて伝えられたというのは、なるほど、と、納得です。
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2007年07月03日

闇の守り人

闇の守り人  上橋菜穂子  新潮社文庫

「精霊の守り人」に続き、シリーズ2冊目の文庫化。^^)
文庫で読むことの多い私には、とてもありがたい。

主人公は生まれ故郷にもどります。
実際、バルサは、殺されたという父親の事も、育ての親のジグロが自分を連れて逃げた詳しいいきさつなどは、知らなかった。
彼女にとっては、過去を清算し再出発するための旅でした。

故郷・カンバル王国では、不思議な風習が残っていました。山の王と王の槍(王の騎士)、闇の守り人ヒョウルと青い宝石・ルイシャ。
そこで、ジグロの弟・王の槍のユグロ一派に狙われることになるのですが・・

1作目 精霊〜・・では、精霊の言い伝えと開祖の行いが、為政者の都合で歪められ、その結果、旱魃を招きかけます。そこを主人公と皇子が活躍します

2作目は、カンバル王国で実力を握っているユグロが、ある儀式に乗じて、策略をねっています。古い儀式や風習の意味は、まったく無視されます。それを主人公はくいとめるのですが・・

二つの話を読むと、実は民間伝承・伝説というのは、為政者・民衆の都合のいいように変えられている、もしくは忘れられる というのが共通点のようです。

ところで、ふと思ったのですが、日本の歴史を研究する学者がもとにする”日本書紀”は、為政者の朝廷側の編纂したものです。これも都合のいいように、史実を変えられている可能性大なんでしょうね。きっと
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2008年01月06日

夢の守り人

夢の守り人  上橋菜穂子  新潮社文庫

守り人シリーズ第3弾です。
前回の 闇の守り人では、用心棒・バルサの過去と、そこ過去からの決別が語られていました。

「夢の守り人」では、トロガイの過去がでてきました。

”人の夢をかてに育つ”花”、その夢から覚めない姪を助けるため、タンダは、一人で幽界(?)のような場所に出かけます。一方、チャグムは、宮廷の中での堅苦しい生活に追い詰められ、”夢”の中に逃げます。そこで、タンダと出合う。現世では、シュガとトロガイ、護衛の3人とバルサが力を合わせて、タンダやチャグムが帰還できるよう、頑張ります”

前作の ”闇の守り人”は、話の内容上、暗い雰囲気でしたが、今回は、チャグムのその後の生活と成長がテーマのようなので、明るく読みやすかったです。
それにしても、タンダは、どうも、貧乏クジ体質らしいww



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2008年09月12日

虚空の旅人

虚空の旅人   上橋菜穂子  新潮社文庫

「守り人」シリーズが、バルサ中心なら、「旅人」シリーズはチャグムが中心になっていくようです。

今までの、精霊、闇、夢 の守り人は、話は1話で完結してます
これからどうなるだろう?というような、展開ではありません
ちょっと話しが、幻想的で想像つかない箇所もあったりしました
まさに、ファンタジー 

今回、「虚空の旅人」では、チャグムとシャガが主人公となり、南の海の島国・サンガル王国に、使節として赴くことになりました
そのサンガル王国で、陰謀に巻き込まれることになります

今回、新ヨゴ皇国から、サンガル王国、罠をはるタルシュ帝国、ロタ王国、カンバル王国と、いろんな国が出てきます。

新ヨゴ皇国は、”今上を筆頭に、王族は清らかで穢れがない”と、され、平民の意思が無関係に政治の進む国のようです
他のサンガルやタルシュに比べると、その政治体制は、原始的なのでしょう。独裁体制といってもいいかも

大抵は民衆の不満は、王族と平民は種族が違う みたいな観念で押さえ込んでるんですね。

これからのチャグムの課題は、そこらへんの改革に手をつけられるかにありそうです。

話中にでてきた サンガルの王子・タルサンは、これまでのファンタジー小説の、典型的な主人公のようです
幼いというか純粋というか、・・あほ?^^;
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2009年04月01日

神の守り人

神の守り人  上橋菜穂子  偕成社

守人シリーズ、5作目。
今回はバルサが主人公です。

新潮社から「虚空の旅人」まで文庫化されてますが、次がなかなかでない^^;;; で偶然、図書館でみつけたので、さっそく借りて読みました。
児童文学の分野なんでしょうけど、本の表紙には YA という記号、
ヤング・アダルト(中高生むき?)

バルサは ちょっと立ち寄った都市で、奴隷商人に売られそうな兄妹を助けることになります。
兄、チクサ、妹、アスラは、タルの民と呼ばれている民族で、二人(徳にアスラは)災いの子とよばれ、命を狙われています。
アスラをすんでの所で助けて、タンダと離れ離れになり、また子連れでバルサは逃げることになります
そこで、ロダ王国の内政問題がからんだり、宗教がかかわったり。
バルサが、予想外に複雑な問題に直面することになります。

来訪編と帰郷編の2冊で完結です^^)
ヨゴ王国より北のロタ王国が舞台なので、冬のシーンが多いです

ロタ王国の南北格差問題は、現実社会でもあるですね
ロタは、北が土地がやせていて貧しいようです

帰郷編では、アスラの”災いの子になった時”の姿の描写が、怖かった。上橋さん、恐怖小説もいけるかも・・


バルサが、”人を殺すとそれが闇のように心に溜まっていく”という言葉は、感心しました。

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2009年04月09日

蒼路の旅人

蒼路の旅人  上橋菜穂子  偕成社

守り人シリーズがバルサ中心の話しなら、旅人はチャグム皇太子の話です。
「虚空の旅人」でサンガル王国は、タルシュ王国と戦争が始ってますが、「蒼路の旅人」では、そのサンガルから新ヨゴ皇国へ、援軍の手紙が来るところかは始ります。
チャグムはその手紙は、罠であると見破り、父親の帝と衝突。
サンガルへの援軍の指揮者として、送られることになります。

実はチャグムは皇子として、父親からは疎まれています。
理由は、チャグムがヨゴの旱魃を救い民衆から圧倒的な支持をえているから。自分の地位が脅かさないかと心配している。
チャグムの弟(3ヶ月)に王位を継がせたい。

”神から国の支配権をもらった帝”にしては、あまりにも人間的
民衆に信じられている、帝の神の力 は実はない

ってわけで、チャグムは遠征軍の従者として、二人の暗殺者をつけられます。

チャグムはタルシュ国の捕虜となるのですが、そこで タルシュの国力のすごさと 全面戦争を回避するかどうか、かなり悩みます。

その悩む過程が旅人、なのね

タルシュの国の弱点はどこでしょう。少なくても軍事力にはかなりの差があり、チャグムの策だけで成功するかどうかは、どうも微妙かも。
タルシュの兄弟皇子の確執が、ちょこっと出てましたから、そこらへんをついて、時間稼ぎをするか・・

「天と地の守り人」でシリーズは終わるのですが、どうなるでしょう
^^)図書館に予約してあるので、楽しみ
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2009年04月22日

天と地の守り人 第一部

天と地の守り人 第一部  上橋菜穂子  偕成社

バルサ主人公の守り人シリーズ、チャグムが主人公の旅人シリーズ、
「天と地の守り人」では、二人が再び出会い、活躍します。

このシリーズもこの「天と地〜」三部作で完結。
味わいながら読んでます^^)

第一部では、「蒼路の旅人」で海を泳ぎロタ王国をめざすチャグムを探すバルサが中心の話しになってます。

表向きは、チャグムは死んでることになっているので、失意のうちのバルサは、ある時、ジンから チャグム生存の知らせを受け、彼を助けるべくロタへ旅立ちます。
その途中、薬をもられ襲われたり、密偵・ヒョーゴに救われたりと、翻弄されっぱなしです。

タルシュのラウル王子の密偵、ハザール王子の密偵、ロタに入り込んで、それにチャグムがからみ、複雑な事態になっているようです・・・


チャグムは、実は勢いだけはあるけど、苦労しっぱなしで、むくわれてません・・かわいそう・・

このシリーズの分類は、ヤングアダルトとはなってますが、例えば戦争前の密偵や被占領国の統治の様子、兄弟の権力あらそいから、地域紛争、それぞれの地域の産業の様子やその違い
児童書にしては、結構読み応えあります

それにしても、新ヨゴ皇国の帝(チャグムの父親)は、ひどい父親というのをとおりこして、あわれさえ感じますね
「天からその統治の権利と力をさずかった」
と公言しておきながら、世継ぎの王子となったチャグムを疎み、赤ん坊の弟を世継ぎ弟としようとするあたり。
すごい人間的です。宮の臣下も、殆どは こういう ”自分の都合で神の力を騙る帝”を見抜けてないとこは、他の国に比べ、やはり後進国なんですね


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2009年04月25日

天と地の守り人 第二部、第三部

天と地の守り人  第二部 第三部  上橋菜穂子  偕成社

バルサとチャグムのシリーズ、これで完結です・・
おもしろかった^^)でも、これで終わりなので、とても残念

チャグムは、あいかわらず大変です。
苦労しましたが、カンバル王を説得したあとは、連合軍が新ヨゴ皇国を襲うタルシュ軍と戦うことになりましたが・・
戦の場面はそう多くはないけれど、焦土作戦、死体や悲惨なけが人の最後、民間人の避難、ライノベにはない濃さで、リアルにせまってきます。最後は、天災(洪水)を利用して一気にタルシュ軍を殲滅します。

タルシュのほうでも、ごうも代替わりのゴタゴタと、方針転換も、幸いしたようです。

チャグムは、結局、帝になるしか方法がなかったようです
荒廃した国と国民がすがるのは、一人の神がかり的な英雄なのでしょうね。国もそうだけど、国民も成熟していない。すすんでいない
しかたのない決断だけど、
。それはともかくとしても、何の役にも立たなかった貴族も新ヨゴの大臣も、そのままで、すっきりしませんが。

バルサは帝になったチャグムに、もう会うことがないのでしょうか
命の恩人、国を守った裏の立役者といえるバルサ
会えないのは、ちょっとかわいそうな・・
そんなもんなんでしょう
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2009年06月10日

狐笛のかなた

狐笛のかなた  上橋菜穂子 著   新潮社文庫


”心の声を聞く能力を持った小夜は、祖母と小さな家でひっそり暮らしています。ある時、猟犬におわれている子狐を助けたことから、運命が廻り始めます。小夜も猟犬におわれ、そこを助けたのが小春丸。
なんらかの理由で屋敷に閉じ込められているらしい。

平凡に暮らしていた小夜は、あるとき、市場で恐ろしい男に偶然出会い、自分を知っているという女性に助けてもらう。そこで小夜の母親の秘密を知ることになります”

結局、小夜は二つの国の争い(呪術を使ったもの)に巻き込まれます。
狐笛(こてき)は、どうやら狐の命のもとをいれるもののようです。

話しは、暗い設定です。
小夜は
祖母はすぐになくなり母もなく
自分の能力もよく使い方がわからない
知らない敵が自分をねらう
相手は圧倒的に強いのに、こちらは防御すらやっと

そんな暗い話しにもめげず主人公は明るく。。。。というわけではなく、どちらかというと、小夜は無口で用心深く人見知りです

それでも 私でも読めたのは、文章のあらわす世界の美しさでしょうか。若桜森とか おいしそうな胡桃もちとか、青白い狐火 とか

「守り人」シリーズもおもしろかったけれど、こちらの話しのほうは、私は好きです。

戦いは劣勢の場面ばかりですが、安心して読んでください。
ハッピーエンドでおわります^^)
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2009年08月20日

獣の奏者 1 闘蛇編


獣の奏者〈1〉闘蛇編 (講談社文庫)

獣の奏者〈1〉闘蛇編 (講談社文庫)

  • 作者: 上橋 菜穂子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/08/12
  • メディア: 文庫




獣の奏者 1闘蛇編  上橋菜穂子 著 講談社文庫

リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇の死なせた罪
に問われた母との別れを境に一転する。
母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われ九死に一生
を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが・・
                 (裏表紙のあらすじより)

単行本では4冊目で完結する話です

最初は、運命に翻弄され死にそうな少女ですが、そのうち、アルプスのハイジ
のような展開になり、1巻目の終わりでは、風変わりに熱心な学徒 になってます

NHKで見たアニメ「エリン」では、”ボーっとした不思議ちゃん”に、見えましたが、
原作では、エリンはもっと、思慮深く論理的で冷静で頑固でしたww
「先入観を持たず、気になることは じっくり考えるエリン」
守り人シリーズとは、また違った雰囲気です。

エリンは常に生き物の事を考えているのですが、特に気になっているのは
「音無笛で闘蛇や王獣を その体を硬直させて操る」というやり方。
(彼女の母の一族は、獣に負担をかけない指笛の方法をしっているようです)

ところで、実際には、「犬笛」がありますが、あれは人間の聞き取る事の
出来ない周波数の音を出す笛で、犬にとっては、不快な音なんだそうです。
音無笛は 犬笛に近いものなんでしょう。きっと。
エリンの獣に対しての深い愛情は、生まれつきのものなんでしょうね。
幼い王獣の世話を申し出ますが、これは、彼女の経験による 自信のあらわれ
なんです・・そこらへんが 純粋というか頑固というか。
きっとこういう娘もしくは生徒を持つと、苦労しっぱなしです
女の子の普通に好きなこと にまったく関心がないし

ジョウンとの山での養蜂生活の箇所は読んでいて、「和みます^^)」
ジョウンは、理想的な父親です。
彼もちょっと暗い過去を持っていました。
もし、彼が病気でなければ、そのまま養蜂家生活をしていたかも。
ジョウンを元の職場にもどる決意をさせたのは 、いろいろあるでしょうけど
結局、エリンとの生活で心の傷が癒されたってとこでしょうか

児童書で出版されたものの文庫版でしたが、読み応えありました

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2009年08月22日

獣の奏者 2 王獣編


獣の奏者〈2〉王獣編 (講談社文庫)

獣の奏者〈2〉王獣編 (講談社文庫)

  • 作者: 上橋 菜穂子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/08/12
  • メディア: 文庫




獣の奏者 2 王獣編  上橋菜穂子 著  講談社文庫
”かざるむ学舎で獣ノ医術を学び始めたエリンは、傷ついた王獣の子・リランに出会う。
決して人に馴れない、また馴らしてはいけない聖なる獣・王獣
と心を通わせあう術を見出してしまったエリンは、
やがて王国の命運を左右する戦いに巻き込まれていくーー。
            (裏表紙のあらすじ より)
  ***************************
リランは、すぐにエリンになついたわけじゃありませんでした。
リランは、音無笛で体が硬直した後、大怪我をして、恐怖心から舎に閉じこもりエサも食べず、死ぬ寸前。
エリンは、苦心惨憺の末、ある方法でエサやりに成功、
母親代わりになって、リランを育てていきます。

ここで終わると、まあそれなりの結末なんでしょう

結局、リランは”真王の獣”である王獣であることから、
エリンは国内の勢力争いに巻き込まれます

話の最後のほうになって、
”霧の民が 獣を操る方法を封印するきかっけになった、大惨事”が出てきます。
まだ、いろいろ謎は残っているようですが、
神格化された始祖の以外な素性。

国をまとめる上で、どうしても”神”が必要だったのでしょうか
始祖の行状を考えると、神格化は、非常に滑稽です

”軍・行政を行う機関と、宗教を司る機関が 別”
 というのは、今は当たり前
むしろ、宗教団体が軍事力を持ったほうが怖い。

今の世の中、 宗教がからむ紛争が、殆どです。
しかも長引いています。

大公家が不満を持ったのは、「命をかけて真王家を守っているのに、真王領の人々から”血で穢れたもの”と蔑まれている」
からでしょうか。

真王国は、山脈の向こう側で起きた惨劇の生き残りが、王国を立てたのがはじまりのようですが、それでも
あんな惨状になっても「闘蛇を 武器をして扱う」 という考えは捨てきれなかったんですね
いったん、その力を知ってしまうと 人間ってそんなものかも。

私の理想でいくと、闘蛇も王獣も野生にもどすべきと思います
少なくても、これ以上ふやすべきでないし・・

最後のシーンで、エリンの様子が、ナウシカのようでした^^)

「これからどうなるんだ?」って所で 唐突に物語は終わります。
作者さんの後書きによると、「これで完結」なんだそうです。
(ちなみに「闘蛇編」「王獣編」の文庫本をならべると、
すばらしい1枚の絵になります)

アニメ化されたのを機に、熱烈な要望のあった続編が、講談社から
単行本として「探求編」「解決編」2冊が出版されたそうです。

ううm・・欲しい^^;文庫化まで待てないかもww

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2009年09月09日

獣の奏者  探求編


獣の奏者 (3)探求編

獣の奏者 (3)探求編

  • 作者: 上橋 菜穂子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/08/11
  • メディア: 単行本




獣の奏者 探求編  上橋菜穂子 著 講談社
あの”神臨の野”での奇跡から十一年後、−−。
ある闘蛇村で突然<牙>の大量死が起こる。
大公にその原因を探るよう命じられたエリンは、<牙>の真相を探るうちに
歴史の闇に埋もれていた、驚くべき事実に行き当たる。
最古の闘蛇村に、連綿と伝えられてきた、遠き民の血筋。
王祖・ジュと闘蛇との思いがけないつながり。
そして、母ソヨンの死に秘められていた思い。
自らも母になったエリンは、すべてを知った時、母とは別の道を歩み端えんる
  (本カバーのあらすじより)

************************************************************
闘蛇軍団と向かい合った王獣にのったエリンで、2作目の「王獣編」は、終わり
でした。
作者さんが強調するように、少女エリンの話は、やはり終わったんですね。
いきなり11年とんで、8歳の子供ジュシが出てきました。
新婚時代が飛んでます^^;旦那と地味に暮らして幸せだったようです

戦いの結果、どうなったのか?
リョガ神王国と大公の関係は?
母になったって、エリンの旦那はいったい誰??

な〜〜んて疑問は、読んでのお楽しみです。

少女時代と違うところは、エリンには”絶対に守らなければいけない家族”が
出来た事、その事と、敵国との謀略で揺れ動きます。
彼女自身は、強い信念(王獣を武器にしない)はあるものの、闘蛇の牙の大量死
の原因を探り、その結果が知れてしまったのがよかったのかどうか・・
これは、次の完結編で答えがでてくるでしょうか。

強い闘蛇と王獣と人間入り乱れての混戦で、結局、誰もいなくなった。
というのは、やはりエリンでなくても不思議ですね。
王獣は鳴き声一つで、闘蛇を硬直させることが出来るのだから、
”そして王獣だけ残った”ではなくては、おかしいです

おかしいといえば、ジュシがアルに懐いてるのは、ちょっと不思議
竪琴を習得したんでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・
物語の流れは、”守り人シリーズ”の一連によく似ています。
最初は、小さな国の中だけでの出来事で、”旅人編”になると、
自分の国の周辺国との外交問題、闇雲に攻めてくる遠い国。

でも、こっちの「獣の奏者」のほうが。読み応えあります。
綿密に描かれているかんじかな。

☆五つの満点で、おすすめの物語です

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2009年09月11日

獣の奏者  完結編


獣の奏者 (4)完結編

獣の奏者 (4)完結編

  • 作者: 上橋 菜穂子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/08/11
  • メディア: 単行本



獣の奏者  完結編  上橋菜穂子 著 講談社
王獣たちを武器に変えるために、ひたすら訓練を繰り返すエリン。
けっしてすまいとおもっていたすべてを、エリンは自らの意思で行っていく
はるか東方の隊商都市群をめぐって、激化していくラーザとの戦いの中で、
王獣たちを、解き放ち夫よ息子と穏やかに暮らしたいと願う、エリンの思いは
叶うのか。
王獣が天に舞い 闘蛇が地をおおい、災いがついにその正体を現すとき、
物語は、大いなる結末を迎える
  (カバー裏のあらすじより)

\***************************************************************
ちょっとした行き違いや、タイミングの悪さで人生は、こうも変わって
しまうのです。

エリンは、結末はどうしようも出来なかったのでしょうか?作者様・・

エリンが真王や大公の意向を押し切って、”残った人々”の谷に
行くことができていたら?もしくは、”残った人々”の来訪にエリンが
居合わせていたら?
隊商都市・ウラルの都長が油断していなかったら?
ロランが大活躍できたら?
ラーザの奇襲と思惑に事前にきがついていたら?

歴史の中にも、物語のなかにも、
「もし〜だったら}という仮定はないのでしょう
でも、最後は・・壮絶で涙がとまりませんでした。

”災い”は、こうしたタイミングの悪さの結果で、エリンは望みどおり
その正体を検分することができましたが・・その代価は、高かった。

闘蛇と王獣が多数集まることによって起こる”災い”は、まさに核兵器
です。人間では、もうどうしようもない。
しかし自然界では、そういう事は起こりえない。

元凶は、正しい伝承が途切れた 事 。
何も知らなければ、獣を武器として扱う事はなくすべて知っていれば、
それなりの対処ができたでしょう。
問題は、中途半端な知識が、理由もわからずに掟として、
伝承されたことです

エリンの息子と残された王族と大公は、教育の大切さを痛感し、リョザ国は
教育システムの発達した国になりました。
エリンと犠牲になった兵のおかげなんでしょう。リョザ王国は、国としてひとつの壁を突破することができたようです。

ひょっとして、今年一番、感激した本 になるかも 
でも、テーマは、児童書とはいえ重くて深い話しでした・・

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