「ぐるぐる猿と歌う鳥」 加納朋子 著 講談社ノベルス小学校三年生の高見森は、父親の転勤のために北九州へ引っ越すことに
なった。転向先で出合った、同じ社宅に住む仲間達ーーココちゃん、
あや、竹本兄弟、そしてパック。
新しい友達と楽しい日々を暮らす森だったが、徐所に違和感を覚え
始める。誰かが書いた地上絵、図書館の暗号、友達の秘密。。
小さな謎に秘められた大きな謎とは・・・。
(裏表紙より)
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愛しさ、切なさ、懐かしさ。
すべてが詰まった加納朋子の物語。 (帯の文面より)
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「懐かしさ」が一番大きい魅力、ってとこでしょうか。
謎は二つ
・パックの正体
・森(しん)が5歳の時に誘拐されそうになった事件
まず、森(しん)の事件については、てっきり○○ちゃんが、そうだと
思ったら、意外な人物でその背景は複雑でした。
いわゆる家庭内暴力とストーカーが、からんできたのですが・・
誘拐事件を起こして初めて、警察が介入するんでしょうね。
それまでは、”ベランダの子”と母親は、常に逃げて暮らさなけれ。
悪いのは、父親なのに。
男性恐怖症になるまでのトラウマを与えてしまった。
児童福祉行政の落とし穴なんでしょうか。
パックの正体は、"社宅の近辺にでる幽霊”と思っていたのですが、
これも、意外で複雑ないきさつでした。
これについては、道義的に
「どうなんだろう・・?」と私は、思います。
戦後間もない頃には、パックのような子供も多かったでしょうが、
”ポケモン”の話題の出てくる時代ですし、ちょっと・・・・
子供達の 「パックは何にも縛られない自由なほうがいい」という気持ちは、子供の正直な感想だろうけど、間違いです。
社宅の仲間達の応援で暮らしているけど、まだこの年齢では、
親の庇護と愛情をうける(施設でもいい)必要があるとおもうから。
戸籍もなく、学校へも行けないのは、"児童虐待”と同じでしょう?
もちろん、最初に子供の育児を放棄した親は最低ですが、その子の面倒を社宅でみた”おじさん”も、公的にキチっとすべきでした。
ココ君の父親、チクリ魔の土田君の父親、森の父親、
パックの周りの大人
物語は、こんな大人達への痛烈な皮肉いっぱいです。
まあ、それでも子供は子供の世界で元気一杯でしたが・・
映画の「誰も知らない」だったかな。そういうパターンなのかな。
結局、パックはそのままで終わったので、物足りない気がします。
解決していないような・・^^
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posted by kiyorin at 00:57|
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加納朋子
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