![晩鐘〈上〉 (双葉文庫) [文庫] / 乃南 アサ (著); 双葉社 (刊) 晩鐘〈上〉 (双葉文庫) [文庫] / 乃南 アサ (著); 双葉社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/31KJMJB42BL._SL160_.jpg)
![晩鐘〈下〉 (双葉文庫) [文庫] / 乃南 アサ (著); 双葉社 (刊) 晩鐘〈下〉 (双葉文庫) [文庫] / 乃南 アサ (著); 双葉社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/31JB21SQW4L._SL160_.jpg)
[晩鐘 」 上、下 、 乃南 アサ 著 双葉文庫
母親を殺害された高浜真裕子は、そのとき高校二年生。心に癒しがたい傷を負った。
一方、加害者の子供たち大輔と絵里は長崎の祖父母のもとに預けられ、
父と母を知らずに成長する。運命が変わったあの日から七年、かけがえのない人を
もぎ取られた真裕子の心の傷は癒えるのか。殺人犯の父親を持った子供たちは、
その運命を受け容れることができるのか
(「BOOK」データベースより)
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合計2800ページ?弱になるかな・・すごく厚いし、テーマも重い。
下巻にはいって、大輔の話になってから(加害者の子供)
え??っという怒涛の展開で、帯の宣伝文句のとおり、
「あなたは、この結末に慟哭する」 で、まだ本の影響下からぬけられない。
「風紋」の続編でもある「晩鐘」。
風紋では、私的には、”浮気は男の甲斐性”とばかり愛人をつくる父親や、家庭内暴力で
家庭をメチャメチャにした千種(姉) は、なんの反省もなく、平常心を取り戻すような
展開が不満でした。
「晩鐘」では、まゆこ(妹)のそんなイラダチや、そこからくる人間不信、癇癪、心の底にある
家族への恨みが、最初は、出てきます。
そしてかわいそうなくらい悩むまゆこですが、建部(新聞記者)の存在が救いかな。
結局、彼女は、精神のタフな人間なのだという建部の言葉。なるほど と思いました。
建部と結婚することになった まゆこは、妹と父親にないして怒りを爆発させます。
でも、二人は結局、過去の自分の過ちが母親の死につながった事に、向き合えなかった。
忘れたかった。まゆこは、そこ点、真正面から"母の死”しいては死について、とりくんで
います、
物語は、加害者の息子、大輔の話です。
早熟なたちらしい彼は、思春期独特の何かモヤモヤした感情をもてあまします。
最初は、上手く立ち回り、自分を陰湿にいじめる従妹の歩むに罠をしかけるあたりは、
いやな感じの子供ですが、後から考えると、小さいときから叔父叔母からもイジメをうけ
ひねくれた子供の 仕返しくらいだったのでしょう。
それが、”限度を知らぬ思春期の暴力”のために、歩むが死に、彼・大輔は祖父母の故郷でも
ビクビクするはめに。
(この時に、警察にでも告白しておけばよかったのか)
"人を騙すのがすき、悪いことをして人を困らせるのが好き”な一見、悪魔のような大輔は
実は、人を騙すときの狡猾にはんして、精神的には、子供だった。
最後の、「刑務所にいれて、僕が二度と外にでられないようにしてください」や、
"人殺しの子供だし顔もにてるから、自分も人殺しになるんだ”と自分を追い詰める
あたりは、かなりかわいそうだ・・
じゃあ、どうすればよかったのか?どこで大輔を助けられたか?
松永(弟)に会った時点かな?それとも、私立受験が出来ないとしって絶望し、建部にアドバイスを
大輔が求めようかと考えたときか。。。
思うに、まゆこには、建部がいたし、友達のミッツもいた。途中から義弟の俊平も彼女に
癒しになってる。
でも、大輔には、誰もいなかった。妹のエリは、自分が守らなければいけない病弱な存在。
建部も、う〜〜ん。どうだったんだろう。
大輔自身がSOSを発信している事を自覚してないし、自分は大人であると思ってるし、
彼を守るべき大人がいないときは、国が何かを考えなければいけないのかも。
せめて、叔父叔母家族が、大輔に普通に接していれば・・・違ったか・・
後味は悪いけれど、もう、これしかない という進行なのか。。。
大作でした。

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この「風紋」から続く「晩鐘」、本当に重い話ですよね。私も読み終わってしばらくは影響を受けていました。感想を書きながらうまく表現できないもどかしさを感じていたのを覚えています。すごくお気に入りの作品なのですが、きっと今後も再読はしないだろうと思っています。もっと、歳を重ねて何事も達観するような状態になるまでは無理です。登場人物たちの想いが受け止められない気がします。
初めてなのに長々と失礼しました。またあそびに来させていただきます。
読書日記で、読んだ後に、整理かたがた、いろいろ書きだしてみたんですが、なかなか、影響がぬけきれないシリーズでした。
特に、「晩鐘」では、大輔をどこで、誰がどうすれば 彼があんなに最悪にいかずにすんだか、いろいろ考えたのですが、いい解決策が見つかりません(父親が殺人を犯さない事以外。。)
また、遊びにきてくださいませ^^)今回のような重い本から、ラノベまでいろいろ読んでます