2013年08月29日

司政官 全短編

司政官 全短編 (創元SF文庫) [文庫] / 眉村 卓 (著); 東京創元社 (刊)
「司政官  全短編」  眉村 卓
星々に進出した地球人類。だが連邦軍による植民惑星の統治が軋轢を生じさせるに及び、
連邦経営機構が新たに発足させたのが司政官制度である。
官僚ロボットSQ1を従えて、人類の理解を超えた原住者種族を相手に単身挑む
若き司政官たちの群像。
著者を代表する、遠大な本格SF未来史の短編全7作を年代順に配し、
初の一巻本として贈る。巻末には詳細な作品世界ガイドを収録した。
(「BOOK」データベースより)
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6編からなる短編・・といっても、この本自体が、686p あるので、読み応え
あります。
まだ、最初の「長い暁」しか読んでいませんが、読み次第感想を残します。

司政官は、私が読んだのは高校生くらいの時で、大好きになりました。
続編がいろいろとでていたとは^^;;うかつでした。

「長い暁」・・・司政管制度が、まだ始まったばかりで、軍がはばをきかせてます。
大陸というようなものもなく、島が無数に集まってできている惑星に赴任した司政官。
周りをみながら、気を使ってます(仕事はまだしてないような^^;;)

この星での、最初の失敗は、原住人を把握しないで、迂闊に上陸したことかな。
確かに、原始的な生活のように見えるけど、人間ではないのですね。やはり。
”話せばわかる”という のは通じず、とんでもない自体になってしまいました。

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2013年08月24日

妖埼庵夜話 空蝉の少年

「妖埼庵夜話 空蝉の少年」  榎田 ユウリ  著  角川ホラー文庫

妖怪のDNAを持つ存在、「妖人」。茶室「妖〓(き)庵」の主・洗足伊織は、
すば抜けた美貌と洞察力を持つ妖人だ。人間と妖人とを見分けるその力で、
警視庁妖人対策本部、略してY対の捜査に協力している。
今回の仕事は、予言ができる妖人「件」を名乗る占い師の真贋を見分けること。
その矢先、本物の「件」である、美しい女性占い師が殺されて!?伊織の「家族」
で妖人の美少年、マメとの絆も描かれる、大人気妖怪探偵小説、待望の第2弾!!
(「BOOK]データベースより)
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二巻目がでてたとは、知らなかった^^;;
一巻目より、キャラがはっきりしてるせいか、おもしろかったです。
”夷さんが、ネコが怖い”とか、”あなどれない脇坂さんの女子力”とか、
”主人公・伊織の言葉が、時々、江戸時代風になって、粋”とか・・

前半にひっぱったぶん、最後はあっけなく終わった感がするものの、
楽しく、よみおわりましたwww

それにしても、サクヤ姫(自称)の自己愛は、ずごいな。
他人を思いやるどころか、母親にたいしても冷淡(特に反抗してるわけじゃない)
今回の事件は、かなりキツいお灸になったですね。

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ネットの世界は、サクヤ姫のように勘違いする人も多いのかな。それは、怖い話ですわ
posted by kiyorin at 01:54| Comment(0) | 榎田ユウリ   | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月20日

しゃぼん玉

しゃぼん玉 (新潮文庫) [文庫] / 乃南 アサ (著); 新潮社 (刊)
「しゃぼん玉」   乃南 アサ 著  新潮文庫
女性や老人だけを狙った通り魔や強盗傷害を繰り返し、自暴自棄な逃避行を続けていた
伊豆見翔人は、宮崎県の山深い村で、老婆と出会った。
翔人を彼女の孫と勘違いした村人たちは、あれこれと世話を焼き、
山仕事や祭りの準備にもかり出すようになった。
卑劣な狂犬、翔人の自堕落で猛り狂った心を村人たちは優しく包み込むのだが…。
涙なくしては読めない心理サスペンス感動の傑作。
(「BOOK」データベースより)
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涙はでなかったけどww、とてもおもしろかったです^^)

”感動の傑作”であるから、結末には悲惨なことにならないだろうと
思ったのに、いろいろ疑問がわいて、結局、一気読みで夜更かししてしまいました^^;
まず
”こういう村、本当にあるのか?実はホラーやファンタジー仕立てとか?”
”翔人の父親は、実は本当にスマばあさんの息子なのでは?”
”翔人の育った環境が、どうだったのか?”
”スマばあさんは、翔人を本当の孫と思ってるのか?”

読んで少しわかったのは、翔人が村について、スマばあさんの家で(居候にもかかわらず)
寝てばかりいるのは、彼が一度 赤ちゃんにもどった、ようなかんじかな。
そして、スマばあさんやシゲ爺、村人の暖かい愛で、育ちなおす・・

翔人は、「お前なんか生まなきゃよかった」と母親に言われて育ち、父親の母親に対しての
DVで、すさんだ家庭の中で育ちます。
両親は離婚しますが、弟だけ同居を望まれ、”父親に似すぎた翔人”は、拒まれます。
翔人は、父親が母親に暴力を振るうのを 黙って見ていたのが母親には、”冷たい子”
と映ったのでしょう。(彼はただ恐ろしくて、動けなかっただけ)

自分はしゃぼん玉のように生きるだけから、
  ↓
しゃぼん玉のように彷徨い消えるだけっていうのは嫌だ

と彼は変わります。

いろいろ迷った末、自首する翔人。
「自分には帰るところがある」と 思った時から 彼は完全に立ち直ったのでしょう。

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翔人には、学生時の思い出もなければ、何か好きな事や趣味もなく、悪い遊び仲間に入る
わけでもない。人間関係を築くのがヘタなのかな


posted by kiyorin at 11:11| Comment(0) | 乃南 アサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月18日

神々の午睡

神々の午睡 (幻冬舎文庫) [文庫] / あさの あつこ (著); 幻冬舎 (刊)
「神々の午睡」  あさの あつこ 著   幻冬社文庫
その昔、神と人が共に暮らす世界があった。ある日、雨の神に選ばれたばかりのシムが
降らせた恵みの雨が、止まなくなってしまう。姉を心配し、彼女のもとへ向かった弟の
リュイは、その原因がシムの恋にあることを知る。彼女は人間の若き細工師に
一目惚れをしていた…。恋愛や友情が人間だけのものでなかった頃の、
優しく切ない六つの連なる物語。
(「BOOK」データベースより)
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6話からなる連作短編です。登場人物が重なったりするので、わかりやすいし
読みやすかったです。
ジャンルは、ファンタジーなのかな。ギリシャ神話のように、神が人間っぽい設定。
6つの話の前後に、この神話が世に出るようになったいきさつ(もちろんフィクション)
も書いてあり。一つの世界として完結してます

神々のための序説・・・そもそも、この話は、発掘された子文書に書いてあるという設定
シムチャッカの花・・・悲恋もの。悲壮さはあまり感じない。何か純粋なかんじです。

グドミアノと土蛙の話・・・グドミアノは、”シムチャッカ”にも出てきた、死を司る
神。超美形。美しく心奪われるからこそ、死への誘惑があるのかな

カスファイニアの笛・・・ある武人の話。笛を手に入れてからは、予想できるオチ。

盗賊たちの晩餐・・・盗賊が仲間を助けるために仕組んだ事は・・
これは、ユーモラスでおもしろかった。盗賊に礼儀作法や教養を特訓されるとは
ピチェも思わなかったかもwww

テレペウトの剣・・・神様も時には、失敗してしまうという話。
戦の神が守護の神をかねてるのは、おもしろい

終わりと始まり・・・世界がどんどん色彩を失い、壊れていく。そこでシムファッカの
弟・リュイは大神に会いに行きます

神々の終章・・・最後はリュイが話しをしめるのね

全編を通じ、よく死の司る神・グドミアノが出てきます。そこがこの物語のポイントかも

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posted by kiyorin at 00:21| Comment(0) | あさのあつこ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月15日

心霊探偵八雲 ANOTHER FILES いつわりの樹

「心霊探偵八雲 ANOTHER FILES いつわりの樹」  神永 学 著  角川文庫

神社の境内の前にある曰くつきの杉の前で、刺殺体が発見される。
容疑者はすぐに見つかったものの、彼の供述と被害者の致命傷が一致しない。
これは樹の呪いなのか・・・。
真実を求め、もう一度現場にもどった後藤刑事は、そこで死者の魂をみる
事の出来る大学生・斉藤八雲に会う。
どうやら彼は別件で神社を訪れていたらしい。
奇妙に重なり合った二つの事件の先に見えるものとは・・。
大人気、スピリチュアル・ミステリー、新シリーズ始動!
(裏表紙の解説より)

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アマゾンへのリンクが、ブログの不調ではれませんでした(謝謝)

さて、新シリーズとはいっても、このお話は 舞台用に作られた物語で
それが好評で、小説となったものだそうです。
そのせいか、普段の八雲シリーズと違って、話が まさに”心霊”よりでした

一心さんが亡くなる前の時期、赤い目の男の謎もとけない時期に 八雲が解いた
事件という設定です。

今までは、確かに八雲は死者の魂と話すことが出来る(もしくは死んだ人の思いを
聞くことが出来る)能力をもっていましたが、謎解きには、それが大活躍するわけではなく
怖いのは、幽霊よりも生きてる人のオチで 話が進んでいきました。
今回の話は、幽霊×2で、そこで死者の話から謎を解いていったので、なんか
「??いつもと違う」という感じでした。
まあ、舞台用の話だから、ハデにしたのでしょうが。

ヘタレの石井刑事の 葛藤ぶりや、学生時代の受けたイジメが大きな傷になってるのが
痛いほど、わかりました。
途中から 実行犯の松田の目的はわかりましたが、それを隠すためのいいわけがお粗末。
きっとウソが苦手な人なんだったんでしょう。

脇役が光った分、晴香ちゃんの影が薄かったかな。
まあ、主人公は俺様八雲君だからいいのだろう

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posted by kiyorin at 01:24| Comment(0) | 神永 学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月12日

職場、好きですか?

職場、好きですか? (双葉文庫) [文庫] / 眉村 卓 (著); 双葉社 (刊)
「職場、好きですか?」  眉村 卓 著  双葉文庫
会社という場所には、ときに不可思議な人たちがいて、奇妙なできごとが起こる。
美人で優秀な女友達が入社試験に落ちた理由、頼りになる先輩OLが隠していたこと、
停滞恐怖症の男が過ごす夏期休暇。もしかしたらあなたの周囲にもあるかもしれない、
ごく普通の日常の中に埋もれている非日常の世界を描いたSFショートショート集。
(「BOOK」データベースより)
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ショートショートという形式で、舞台は職場(事務職系の仕事の多い)
こういう設定で書かれたものなのか、それとも、そういう条件でよりすぐったのか・・

会社話、私はそういう、いわゆるOLの経験がないので実感できませんが、
会社で働いている人にとっては、「うん あるある」もしくは、「それはないべ」と
読みながら感じて、楽しいと思います。

ひさびさに読んだ眉村氏の作品。
中学生の時にはまってました。(NHKで放送された「謎の転校生」とか)
なんか、新刊がなかなか出なくて、そのままになってました。
これを機会に、氏の読んでいない小説を、読んでみたいです

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posted by kiyorin at 23:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月11日

フォー・ユア・プレジャー

フォー・ユア・プレジャー (講談社文庫) [文庫] 柴田 よしき
「フォー・ユア・プレジャー」  柴田 よしき 著   講談社文庫
保育園の園長にして私立探偵、子どもという天使とヤクザという悪魔を相手にした、
究極の二足の草鞋生活を送る、花咲慎一郎シリーズ第2弾。新宿2丁目の無認可保育園「にこにこ園」
の園長でありながら、園の赤字を埋めるため、ヤクザがらみの裏の調査業を引き受けざるを
得ないヤメ刑事の主人公花咲。今度の依頼は、豊満ボディのOLが一夜を過ごしたお相手を
捜し出すというもの。しかし、人捜しをするだけのはずが、愛する恋人が行方不明となり、
元同僚が監禁され、あげくの果てには、妻に逃げられた男の世話までが降りかかる。
偶然に思えたできごとの裏に潜む罠。花咲は無事脱出できるのか?
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あいかわらず、「ハナちゃん(主人公)いつ寝てるの?」状態で、休みなしに
動き回ってます。読み出したらとまりませんでした^^;;;
ここまで事件がつながっていると、ちょっとやりすぎのきもするけど、

今回は、"走れメロス"状態で、ぎりぎりまで追い詰められます。
そこが、ハラハラドキドキで、一気読みした理由かな^^;;

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posted by kiyorin at 00:18| Comment(0) | 柴田よしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月09日

強運の持ち主

強運の持ち主 (文春文庫) [文庫] / 瀬尾 まいこ (著); 文藝春秋 (刊)
「強運の持ち主」  瀬尾 まいこ 著   文春文庫
元OLが営業の仕事で鍛えた話術を活かし、ルイーズ吉田という名前の占い師に転身。
ショッピングセンターの片隅で、悩みを抱える人の背中を押す。父と母のどちらを選ぶ
べき?という小学生男子や、占いが何度外れても訪れる女子高生、物事のおしまいが見える
という青年…。じんわり優しく温かい著者の世界が詰まった一冊
***************************************************************************
前に読んだ"占い師が主人公の小説”では、占い師=フォーチュンテラーという言い方を
してました。悪い・不運な占い結果が出たとしても、それを上手に言葉を変える。
(だから一時TVにでてたH木さんは、異色な存在に思えました。)

主人公・ルイーズは、話し上手とその人の空気が読め(例えば、占いにきた人の望みとか)
わりと順調に占いはこなして成功してました。
でもやはり、占ってもらう人に基本的な情報を隠されると苦労するみたいですww

最後の話ででてくる竹子さん、私はこの手の人は苦手です。
占いで 不運な点ばかりを強調してるような。。。人の不幸は蜜の味っぽいタイプに
みえて・・・

全編を通じ、例えば大根と竹輪がカレーに入ってる料理を作る彼氏・通彦に 支えられてる
ようなルイーズですが、(私なら、そんな奇天烈な料理は耐えられませんです^^;;)
最初って、本当のところ、どうだったんだろうかなと思う。
たまたま、通彦が前カノにつれられ占いすると、すごい強運の持ち主のカレにルイーズが
一目ぼれ。あの手この手で占いを屈指して、彼女の席をゲット。
でも、それって、どうしても 職業としての倫理違反のような。。。
まあ、あれだけ変な料理をあまり文句もいわずに食べるルイーズだから、彼女に
なれたのかな?前カノは、料理は我慢できなかった?ってとこなのかもしれませんが

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posted by kiyorin at 01:05| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月08日

香彩七色・・香りの秘密に耳を澄まして

香彩七色 ~香りの秘密に耳を澄まして~ (メディアワークス文庫) [文庫] / 浅葉なつ (著); アスキー・メディアワークス (刊)
「香彩七色・香りの秘密に耳を澄まして」   浅葉 なつ  メディア・ワークス文庫
犬並みの臭覚をもちながら、今までその能力を美味しいものを食べること
にしか使っていなかった主人公・秋山結月。
そんな彼女が大学でであったのは、古今東西の香りに精通する香道宗家跡取り・
神門 千尋(家出中)だった。
人嫌いの千尋に邪険にされつつも、結月は次第に新しい世界に魅了されていく。
今まで意識しなかった様々な香りに耳を傾けると、彼らは何よりも饒舌に秘密を語っていた。
人々が香りに託した様々な想いを読み解いていく、ほのかなアロマミステリー
(裏表紙の解説から)
**************************************************************************
香道という、TVでも見ることが稀な世界が少し出てくるので、興味深く
読みました。香りにまつわる3つの話。
1話目は、主人公の友達の恋人が残した謎の便箋をめぐって、いろいろ手を
つくして調べます
2話目は、ずばり 香道関係がからんだ話で、香木の話や、その名前から
組み合わせて連想する和歌とか、雅な雰囲気を楽しめます
3話目は、結月の幼馴染が タバコ所持で学校を停学になる話から・・

軽く読める反面、まあ、ちょっと都合がいいかなという進行もあったかな
後書きによると、この本は、何度もダメだしをくらったとか。。オツです。

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"学校内に教師もノータッチの小屋をもつ、人嫌いな美青年”っていう設定が 私好みだけど
「八雲」ににてるような・・
posted by kiyorin at 01:08| Comment(0) | 朝葉 ナツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月06日

天国旅行

天国旅行 (新潮文庫) [文庫] / 三浦 しをん (著); 新潮社 (刊)
「天国旅行」    三浦 しをん 著  新潮社文庫

現実に絶望し、道閉ざされたとき、人はどこを目指すのだろうか
すべてを捨てて行き着く果てに、救いはあるのだろうか。富士の樹海で出会った男の導き、
命懸けで結ばれた相手へしたためた遺言、前世の縁を信じる女が囚われた黒い夢、
一家心中で生き残った男の決意―。
出口のない日々に閉じ込められた想いが、生と死の狭間で溶け出していく。
すべての心に希望が灯る傑作短編集
(「BOOK]データベースより)
**********************************************************************************
心中をメインテーマにした、死にまつわる7つの短編集です。
予想してるより、ずっとライトですが、"死”については、あくまで現実的に
正面からとらえていると思います。

「森の奥」・・・この話は好きです。ちょっと希望がでてくるというか、ユーモラスな
口調で。ゲームをしていた若い男のほうも、"助けた事で救われた”という展開で、
いってほしい(希望^^;)

「遺言」・・・何かあると、二人で死んで愛を貫こうとする妻と夫。結局、二人とも
いい年齢。天寿を全うする夫婦のような気がするww

「初盆の客」・・・不思議な幽霊話です。でも、ホッコシすると同時に、ウメばあさんの
最後は、すごい強い意志だなと感心。夢の中でも妻を気遣う旦那って すごい

「君は夜」・・・因縁ものかな。生まれ変わっても同じ事を繰り返す。

「炎」・・・これは、結局、真実も原因もわからない。主人公は巻き込まれただけなのか。
遺書は本物だったのか?あやふやなままに、人生を過ごしていくであろう主人公に、
炎の記憶は鮮烈すぎるほど、残っていくでしょう

「星くずドライブ」・・・「ははw」っと笑ってしまう。ユーモラスだけどホラーです。

「SINK」・・・生死をわけるような場面での、小学生の記憶。もう悩んでも仕方ない
問題と思いますが。主人公は、「母親は俺を殺そうとしたのか?」と 水中でつかまれた
足の感覚にこだわります。
最後に 何かと世話をしてくれる吉田君に暴言をはいた主人公。それでも、彼は主人公を
心配しているらしい。

おすすめは、最初の「森の奥」と「SINK」です。^^)

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posted by kiyorin at 00:16| Comment(0) | 三浦しをん  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月03日

7月の読書のまとめ

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:4256ページ
ナイス数:88ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/31357/matome?invite_id=31357

■風紋〈上〉 (双葉文庫)
やっと上巻読了^^;;おもしろい というより、”読まずにはいられない”ってとこです。
重い話なのに、両方の家族の、容疑者の 行く末がとても気になる。下巻を読みはじめてます
読了日:7月3日 著者:乃南 アサ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30053357

■風紋〈下〉 (双葉文庫)
上巻よりは、下巻のほうが サクサク読めました。風紋は、風が吹いた時に出来る砂丘など
での砂の模様。風が吹くたびに形を変えていく様を、人間模様に例えてるのでしょう。
最後に真裕子が 開き直って立ち直るところがいい。
父親はまた、ゴルフ三昧の日々にもどったんだな。こりないやつだ。
読了日:7月9日 著者:乃南 アサ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30203239

■白桜四神 男子寄宿舎で二者択一! (角川ビーンズ文庫)
普通、男装がバレるだろう?とツッコミいれながらも、”女子禁制だから男しかいない”
と思い込んでる貴族には、わからないかもしれないww そこそこ楽しめて、
マンガを読んでる感じかな。気分転換には調度いい
読了日:7月10日 著者:伊藤 たつき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30225693

■星のかけら (新潮文庫)
小学生高学年向けのためのお話ですが、大人が読んでも十分楽しめます。
それは、主人公のユウキが 遅々としているけれど、少しずつ成長しているからかな。
テーマは重いですが、今、何かを悩んでる人には、少しの清涼剤にはなる話しです。
作者は、この物語を通じて「死ぬな生きろ」と強いメッセージを発してるのでしょう。
最近、イジメによる子供の自殺も多いし
読了日:7月11日 著者:重松 清
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30250139

■銀の匙 Silver Spoon 8 (少年サンデーコミックス)
シビアな巻でした。農家&酪農家は、借金の額が半端ないくらいあるところが多のは
知ってたけど、綱渡りの経営・・知恵者の八軒君も、今回ばかりはギブアップでしたね。
読了日:7月13日 著者:荒川 弘
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30318533

■泣き童子 三島屋変調百物語参之続
直接 「怖い!!」とおもったのは、「まぐる笛」。”まぐる”はリヴァイアサンのような存在かな。
読んだあとでぞくぞく来たのは、「泣き童子」だって、最初は 捨て子を拾ったところから始まります
子を捨てた人の理由を 想像してしまった
読了日:7月15日 著者:宮部 みゆき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30347978

■チョコレートの町 (双葉文庫)
「海を見に行こう」とは、なんか印象が違うのですが、おもしろかったです。
最後のほうの製紙工場の父親が、遼の先輩の印刷屋に、”わざとミスを伝えない”
くだりと理由は、ストンとこないし、蛇足っぽい。
読了日:7月17日 著者:飛鳥井 千砂
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30400268

■パンとスープとネコ日和 (ハルキ文庫 む 2-4)
ネコ飼いとしては、最後は涙なしには読めない・・。食堂の、このメニューで
1000円ランチなら、ううmmちょっと高い。
でも、無農薬野菜とすべて手作りにこだわると こんな値段になるのかも。
他のところが、安すぎなのかもね
読了日:7月18日 著者:群 ようこ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30424105

■晩鐘〈上〉 (双葉文庫)
やっと、上巻読了・・長い。_(_^_)_後半はテンポよく一気に読みました。
上巻を読みはじめた時、ちょうど、H県で、未成年のグループによるリンチ死事件が
起きました。偶然とはいえ、怖かった。
読了日:7月23日 著者:乃南 アサ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30545486

■晩鐘〈下〉 (双葉文庫)
下巻は、一気に読みました。まゆこは、爆発はするものの、かえっていい方向に。
彼女は幸せになるでしょう。一方、大輔は・・。
”ものわかりがいい、頭がいい、面倒見がいい”、というだけ彼の性格だけで周囲は
彼を必要以上に大人として、扱っていたのが、悪かったかな。
いっそワル仲間にないって、夜の東京を遊んで歩いたほうが、らくだったのかも。。
大輔のしてきた事は(いずみちゃんに対して)は許せないけど、それでも、最後はかわいそうだった
読了日:7月25日 著者:乃南 アサ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30599110

■晴れた日は図書館へいこう (文学の森)
番外編が加筆されて、文庫版がでてます。その文庫版で読みました。
図書館大好きな女の子の話。ホノボノ癒し系・・実は前に読んだのが、
内容もページ数も重い本だったので、気分転換にと。^^;図書館ではよくある事を、
謎としてでてくるのだけど、ファンタジーで夢がある感じ
読了日:7月29日 著者:緑川 聖司
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30689980

■遺品 (光文社文庫)
”幽霊の正体みたり・・”ってとこでしょうか。その部分が一番おもしろかった。
マニアもここまでいくと怖いのね。最後は、タケルと主人公を幸せにしてあげたかった。
だってあんなに仕事頑張った二人だし、かわいそう。
読了日:7月31日 著者:若竹 七海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30737461

▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

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今月のおすすめは、「風紋」と「晩鐘」。でもテーマも重いし、長い。
読みやすかったのは、「泣き童子」宮部さんの作品は、どれも好きです^^)
posted by kiyorin at 01:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月02日

丕諸の鳥

丕緒の鳥 十二国記 (新潮文庫) [文庫] / 小野 不由美 (著); 山田 章博 (イラスト); 新潮社 (刊)
「丕緒の鳥」  小野 不由美 著   新潮社文庫

「希望」を信じて、男は覚悟する。慶国に新王が登極した。即位の礼で行われる
「大射」とは、鳥に見立てた陶製の的を射る儀式。陶工である丕緒は、
国の理想を表す任の重さに苦慮していた。希望を託した「鳥」は、果たして大空に
羽ばたくのだろうか―表題作ほか、己の役割を全うすべく煩悶し、
一途に走る名も無き男たちの清廉なる生き様を描く全4編収録。
(「BOOK」データベースより)
*************************************************************************
丕緒 (ひしょ)という主人公は、いわば 工芸家で官吏の職人です。
仙籍に入って不死なので、何度もgの儀式に使う陶製の鳥は作っていますが、ある時
この儀式のあり方に疑問を感じます。
射られて割れて砕ける鳥が、一般庶民に見えたから。
そこから丕緒の苦悩がはじまります

「落照の獄」は、今でいうなら最高裁判所の 裁判官と検事と弁護人を兼ねたような職責の
瑛庚(エイコウ)と同僚二人が主人公。この国では死刑制度が実質廃止されていて、
そんな中で、26人殺し・強盗の”シュダツ”という罪人の扱いをめぐって、論議がはじまります。
肝心の王様は 死刑の復活を」含めて「司法にまかす」の一点張り。
読んでいて、難しかった。(ちょっと眠くなった^^;;)
これは、死刑について廃止か否かという論議で、現実問題で今も意見の割れているている
テーマです。(私は、死刑廃止論者ではないけれど、この間見たTV番組で、ちょっと気持ちが
揺らいでます^^;;)
裏の主人公は”シュダツ”で、改心の欠片もなく、まるで 自分が死刑になることで社会に
復習をしてるような態度。現実で、あの池田小事件の犯人を思い出しました。
主人公は、「死刑を復活する事で 濫用につながり 国が傾いていくんのではないか?」
と心配します。どうもその通りになりそう。
(十二国記の世界では、王が正しい政治を行わなければ、災害や疫病がおき、民衆が疲弊し
社会が荒れていくという設定です。その国が荒れていく入り口にきていると 主人公は
感じ、気をひきしめてます)

「青条の繭」は、ある地方のブナの病気を発見した下級役人・標仲(ヒョウチュウ)が
主人公。山を管理する彼は、友達であり同じような役職のホウコウらと、ブナが死滅していく
病気を発見(死滅したブナは 山の荒廃や土砂崩れを引き起こす)
その病気に効く薬が 青条 という植物であるのをやっとつきとめたが、栽培が難しく
見本の苗をもって、ヒョウチュウは 王様にもっていくことに
(上司に知らせても、なんの音沙汰もない)
「ファンタジーって、こんなに苦しい話だっけ?」というくらい ヒョウチュウは、王に
会いに行く旅情で苦労します。
苦労して苦労してギリギリまで頑張って、途中で倒れます。
で、問題の苗は、ヒョウチュウの情熱に推された人たちがリレーのようにまわしていきます。
この話では、役人は、まったく役にたたないどころか 害になってます。
だから、ヒョウチュウの訴えに賛同し 仲間を組んで王に奏上することもなければ
民衆に訴えることもありません。
ただ、”苗を王様も下に必ず届ける”という強い意志が、人々を動かします。

「風信」は、前の3作から比べると、ちょっとホっとするくらいライトかな。
ちょうど、陽子がこの世界に来る前後の話。
理不尽な条例で 両親を殺され家を焼かれ故郷を追われた主人公は、追われた先の
別荘地のような荘園(?)で下女をすることに。
荘園で風変わりな博士達の手伝いをしながら、いろいろ考えるのです

「青条の繭」が、読むのはつらくなるくらい過酷が話しでしたが、インパクト
ありました
「風信」は、読み易く 哀しい過去を持つ主人公だけど、前の重い3つの話を
ホっとさせてくれるような 話でした

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posted by kiyorin at 11:59| Comment(0) | 小野不由美 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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