「起終点駅 ターミナル」 桜木 紫乃 著 小学館生きて行きさえすれば、いいことがある。
笹野真理子が函館の神父・角田吾朗から「竹原基樹の納骨式に出席してほしい」という手紙を受け取ったのは、先月のことだった。十年前、国内最大手の化粧品会社華清堂で幹部を約束されていた竹原は、突然会社を辞め、東京を引き払った。当時深い仲だった真理子には、何の説明もなかった。竹原は、自分が亡くなったあとのために戸籍謄本を、三ヶ月ごとに取り直しながら暮らしていたという――(「かたちないもの」)。
道報新聞釧路支社の新人記者・山岸里和は、釧路西港の防波堤で石崎という男と知り合う。石崎は六十歳の一人暮らし、現在失業中だという。「西港防波堤で釣り人転落死」の一報が入ったのは、九月初めのことだった。亡くなったのは和田博嗣、六十歳。住んでいたアパートのちゃぶ台には、里和の名刺が置かれていた――(海鳥の行方」)。
雑誌「STORY BOX」掲載した全六話で構成予定です。
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”無縁”についてのテーマ話、短編6つからなっています
標題になった「起終点駅 ターミナル」より、私は、元気な新人新聞記者・里和の話が、
好きです。^^)
これらの話を、登場する男女を対比すると、男性のもろさがよくわかります。
介護で無理心中するのも男性が圧倒的に多いし、どうも男性は、老後、自分の内面に向かって
いくそうです(「湖風の家」に、そう書いてあった。まったくその通りかも)
「かたちのないもの」では、主人公・真理子が、元恋人の納骨式に出る話です。
ここでも、元恋人は、何かに諦めたように、会社を辞めますが、(その詳しい理由はふれてない)
真理子は、恋人の別れと死を軽く乗り越えて、次の職場に向かいます。
「海鳥の行方」こういうまじめだけど、融通のきかない新人記者里和さん、今では珍しいタイプかも
それにしても、編集長紺野、仕事の事はともかく、セクハラ発言大爆発。
真理子が、ノイローゼにでもなったら、訴えられるかも。
「職場の雰囲気がギスギスしているのは、お前のせいだ」と真理子にいう上司も最低ですね。
女性に、なにかしらの潤いとか可愛げとかを求めてるとしたら、ひどい古い頭だ。
この話が、一番おもしろかったです^^)
「起終点駅」釧路市での、変わり者の弁護士さんの話。
はっきりいって、この完治は、私は好きになれないかも・・・
人と付き合いたくないので、最低限の仕事で、自分のための料理が趣味。人と食事をするのは気苦労
仕事は、国選弁護人で、”判例どおり”にいくような裁判をめざす。国選とはいえ、もうちょっと
仕事に創意工夫とかないのかな???こんな弁護人にあたった被告は不運だわ。
結局、完治のこの生き様は、大学時代に自分を支えてくれた恋人が、完治が司法試験受かった
と、同時に蒸発した事。その元恋人に偶然再会したけれど、目の前で自殺された事。
この時に、完治も半分死んだようなものだったのかも。
結局、この自殺した恋人の心情が、まったく謎です。この女性が元凶かな。
「私と一緒にいないほうが、彼が出世するから 哀しいけどサヨナラするの、来世で一緒に
なりましょう」みたいな、ヒロイックな勘違いをしてた女性だったかも。
対して、完治に世話になった敦子は 悪い男とキレ、心を入れ替え遠くに働きにでます。
やはり、女性はたくましい
「スクラップ・ロード」そういえば、実際、ゴミ・ロードってのがあったな。
失踪後死亡宣告をうけてこの世にいないはずの父親に、主人公の久彦が出会う話。
久彦の生き方は、かなり緊張とプレッシャーの連続だったのかな。
”片親で貧乏な自分”を見下したやつより 優位になり勝ち組になるみたいな。。
その結果の心の病なのだけど、大銀行とはいえ、すごくアッサリと首をキルのだなと、びっくり。
その息子を、母親は一人で農家(牛飼い)で育て上げた。やはり女性は強いな。
「たたかいにやぶれて咲けよ」新聞記者・真理子の話。紺野は相変わらず、真理子は新しい上司に
札幌転勤を命じられます。ここでは、ある新人作家がでてきますが。。。ずいぶんとアマちゃんの男。
「湖風の家」小さな集落で起こった殺人事件。をベーズに 故郷をすてた主人公千鶴子の話。
千鶴子とたっこの世代をこえた友情で、ホっとなごみます。
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